春先は「心機一転。新たな気持ちでがんばろう！」と意気込んでいたのに、５月に入るとふと糸が切れたように心も体もどっと疲れ、やる気が出ない......そんな経験はありませんか？ 「五月病」といって5月の大型連休明けから起こりやすい不調ですが、最近はなかなか抜け出せず長引いてしまうケースも。この時期を元気に過ごすには、心のもやもや解消につながる、脳の疲れをリセットすることが近道です。実は今、脳と体の疲労を効率良く「ととのえる」ことのできるサウナに改めて注目が集まっています。最近は、自然や絶景、音や香りといった"＋αの癒やし"を求めて、サウナを旅の目的とする"サ旅"が人気。サウナを愛する人＝サウナーたちが憧れる、今訪れたいホットなサ旅スポットをお届けします。
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"脳の疲れ"をリセットして、心と体を解き放つ！
魅惑の"サ旅"へご案内。
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医師
加藤 容崇（やすたか） さん
医師
加藤 容崇（やすたか） さん
サウナを科学し啓発する学術団体「日本サウナ学会」代表理事。医師・医学博士。サウナ好きが高じて、"ととのう"をはじめとしたサウナの効能を科学的に解明する取り組みを行っている。著書に『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか？』（ダイヤモンド社）がある。
心と体が「ととのう」感覚を身に付けて、
より至福のひとときを過ごしましょう！
まずは基本のサウナの入り方をマスター！
1セット、サウナ（7分）→水風呂（1分）→外気浴（5～10分）を目安に３～4セット行いましょう。サウナ室を出るタイミングは軽く運動したときと同じくらいの心拍数。「気持ちがいい」と感じることが大切です。
STEP1 サウナ（7分）
高温という危機的環境に体が順応しようとしている状態。
交感神経が優位に。
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STEP2 水風呂（1分）
極限まで温まった体を急激に冷やすという激しい変化に再び体が順応。
交感神経が優位に。
▼
STEP3 外気浴（5～10分）
熱くも冷たくもない安全を判断した体が緩まり、いつもより深いリラックス状態へ。
副交感神経が優位に。
▲注意点▲
・汗をたくさんかくので、脱水症状を起こさないよう水分補給はこまめに。
・体調が悪いときに無理やり入ると立ちくらみや脱水症状の原因になります。
・動脈硬化、高血圧、心臓病、不整脈など、持病のある人は医師に相談を。
・飲酒後のサウナは血圧低下や脱水症状の原因に。
・満腹後すぐは消化不良を起こす危険性があるので避けましょう。
サウナのココがすごい！ 5つの魅力
1．脳の疲労がリセットされて、思考がクリアに
脳の疲労の原因は何かを考えてしまうこと。サウナに入ると、高温に体が対応しようと強制的に思考が停止されます。頭が空っぽになり、脳も心もすっきりします。
2．自律神経を鍛えて、メンタル不安を軽減
忙しい現代人は自律神経が乱れがち。サウナや水風呂で交感神経を、外気浴で副交感神経を優位にし、繰り返し行うことで自律神経が鍛えられ、精神安定に役立ちます。
3．肩凝りや腰痛が改善。癒やしの効果も
温熱効果によって硬くなった筋肉がほぐれ、血流が促されます。疲労物質が汗と一緒に流れ、疲労回復効果が期待。肩凝り・腰痛など神経感覚的症状の緩和にも。
4．集中力＆記憶力が高まる
サウナに入ると、リラックス状態のときに出る脳波"a派"が正常化。認知機能や集中力の向上につながるといった報告があります。
5．睡眠の質が向上。日中のパフォーマンス力がアップ
サウナに入った日は、質のよい睡眠・ノンレム睡眠の時間が通常の1.5～2倍程度長くなることが判明。睡眠の前半に起こりやすいため、短時間でも疲労の回復が期待。
＋αの癒やしを体感できる。魅惑の"サ旅スポット"をピックアップ
サウナとアートの新しい体験！？
サウナー憧れの地「御船山楽園ホテル」
江戸時代に造られた15万坪もの広大な敷地からなる庭園「御船山楽園」内にある「御船山ホテル」。2019年に大浴場を全面リニューアル。御船山の景色を堪能できる露天風呂、内湯、サウナ、温泉水を使った水風呂、外気浴スペースを備える充実の施設で、「サウナシュラン」※ 2019年と2020年、連続グランプリを受賞。昨年、薪サウナを新設し、サウナーの中で、一度は訪れたい場所としてますますホットなスポットに。
※サウナ啓もう活動に賛同するさまざまな業界の「プロサウナー」が審査員となり、11施設をノミネート。毎年11月11日（ととのえの日）に"今行くべき全国のサウナ施設"を発表・表彰。
エントランスロビーに一歩踏み入れると、たくさんのムラーノ・ガラス（ベネチアン・グラス）に囲まれた異空間が現れます。暗い空間は御船山の森の最深部を、天井から伸びる無数のベネチアングラスは森の花々や木の実、木漏れ日を表現していて季節によって色合いが変化。人の動きに連動して輝き方が変わるインスタレーションです。
大浴場「らかんの湯」に併設された雰囲気の全く異なる数種のサウナ。使われている薪は地元の間伐材、サウナストーンは御船山の石、ロウリュには温泉水と、地元佐賀の魅力を存分に取り入れた唯一無二の空間となっています。サウナ内には、御船山の森の音がライブで流れ、室内にいながら自然との一体感が味わえるユニークな仕組みに。
※サウナストーンに水をかけて熱い蒸気を発生させ、室内の温度を一気に上げて発汗を促すこと。
女性用サウナでは、オリジナルで考案された「カクテルロウリュ」が楽しめます。アロマ水を凍らせたボール「クーゲル」を、サウナストーブの上にあるサウナストーンに乗せて1～2分待つと、室内がアロマの心地いい香りに包まれます。香りは、ヒバやハッカ、みかんやバラなど常時数種用意されています。
御船山楽園ホテル らかんの湯
佐賀県武雄市武雄町武雄4100
0954-23-3131
https://www.mifuneyama.co.jp/
※宿泊者は大浴場が午後と午前で男女入れ替え制
※「らかんの湯」の日帰り入浴は予約制・定員制です
"茶室"をイメージしたサウナが話題！
登録有形文化財の高級温泉宿。「おちあいろう」
1874年創業、建物そのものが国の有形文化財に登録された老舗温泉宿「おちあいろう」。静岡県・伊豆の天城山中にあり、本谷川と猫越川が合流する狩野川の畔に建つことから名付けられたとされています。かつて「落合楼村上」という名で島崎藤村、川端康成、北原白秋など名だたる文豪たちに愛されてきた宿は、令和元年にリニューアルし、日本伝統の木造建築とモダンな現代デザインが融合。「茶室サウナ」と「天狗サウナ」の趣の違う2つのサウナが併設されました。今行くべきナウナとして「サウナシュラン」に選ばれたこともあり、全国のサウナーが憧れの宿に。
サウナブームの火付け役、"ととのえ親方"こと、松尾 大さんが手掛けたことでも話題の「茶室サウナ」。その名の通り、茶室からインスピレーションを受けた造りで、入口の小さな戸をくぐるとヒノキの壁が一面に。ガラス張りの大きな窓からは、狩野川を眺めることができます。茶釜にお湯を注ぐ感覚でセルフロウリュが楽しめることも魅力の一つ。
「天狗サウナ」は、足元に源泉かけ流しの温泉が流れる保湿効果の高いサウナ。流れる水音に耳を傾けながら足湯や温泉水を使ったロウリュが楽しめます。窓からは狩野川の眺望も。「茶室サウナ」「天狗サウナ」どちらもヒノキの香りに包まれながら、心と体を"ととのえる"ことのできる至福のひとときが待っています。
温泉宿の楽しみといえば食事。「おちあいろう」では、四季折々の海や山の幸、伊豆鹿といったジビエなど、地元伊豆の食材をふんだんに盛り込んだ料理でおもてなし。おなかが満たされた後は、暖炉に火がともるラウンジでお酒を飲んだり読書をしたり、思い思いの時間を過ごしてみては。温泉宿で一日中ゆったり過ごす、それもまたぜいたくです。
おちあいろう
静岡県伊豆市湯ヶ島1887-1
0558-85-0014
https://www.ochiairo.co.jp
感性を研ぎ澄まし、自然と一体となる。
1万坪の森にあるプライベートサウナ「Replus」
京都市内から車で約30分。山々に囲まれた自然豊かな北区鷹峯の森の中に昨年オープンした一棟貸し切りのプライベートサウナ。川のせせらぎや鳥のさえずり、澄んだ空気、森の香り、薪の弾ける音......。自然と一体となるような非日常体験ができると話題のサウナです。「Replus（リプラス）」には「元に戻し、それ以上のものを与える」という意味合いがあり、「心と身体を再起動し、明日の活力を得てもらえるように」といった思いが込められています。
サウナ発祥の地・フィンランドのブランド「NARVI」の薪ストーブ「VELVET」を日本で初導入。屋外にある鴨川源流のかけ流しの水風呂や川のせせらぎや森の静けさに耳を傾けながらの外気浴、目の前の沢や滝を水風呂の代わりにすることもできる、ぜいたくなシチュエーション。サウナーの心をときめかせる仕掛けが随所にあふれています。
他にも、鴨川の水を薪で温めた露天風呂やBBQを楽しめるスペースがあり、一日があっという間に過ぎていきます。一年を通して、四季の移ろいが楽しめるのも大自然の中で味わうサウナならでは！ 市街地から車で30分の距離にある別世界。今までとは違う、京都旅を満喫してみてはいかがでしょう？
Replus
京都府京都市北区大宮秋葉山1-8
https://replus-sauna.com
