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北海道の風土が育む美食と、土地の文化に想いを馳せる大人旅

ホテル北海道旅行
ピリカレラホテルの貸し切り露天風呂。開放的な露天風呂は宿泊者だけに許された特別な空間。

豊かな自然が今も残る北海道・白老。市街地のすぐそばに広がる原始性に富んだ森林は、四季折々に移ろい、豊かな色彩は見るものを魅了します。アイヌ語で「大きな沼/湖」を意味するポロト湖沿いには、新たにウポポイ(民族共生象徴空間)も登場し、いま国内外から注目されているエリアの一つです。そんな白老の魅力を存分に楽しめる宿が「ピリカレラホテル」。今回は自然の恵が五感を刺激し、旅慣れた大人をも満足させてくれる旅をご案内します。

QIRA MAGAZINE編集部

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QIRA MAGAZINE編集部は、注目のレストランをはじめ、ライフスタイル、ファッショントレンド、カードをお得に使える情報など、新しい自分に会うためのさまざまなトピックスをご紹介します。

アイヌ民族の文化を深く知る

新千歳空港から車を走らせること40分、太平洋と手つかずの森に囲まれた自然豊かなまちが白老です。古くから先住民族のアイヌが「コタン(集落)」を形成し、万物には魂が宿るとして敬いながら、厳しい自然と共生してきました。

復元された「チセ(家)」が並ぶ伝統的コタンと、一本の木から彫り出した丸木舟。

そんな白老に2020年に誕生したのが「ウポポイ(民族共生象徴空間)」です。ここはアイヌ古式舞踊の上演をはじめ、多彩な体験プログラムを通して、アイヌ文化について知ることができるナショナルセンター。ポロト湖を望む景観も見どころで、風のない晴れた日には、凪いだ水鏡に映る木立の景色も見事です。アイヌに伝わる神話を夏季限定でプロジェクションマッピングで上映しており、映像と音が織りなすダイナミックな演出は幻想的。

施設内の第一言語はアイヌ語で、看板などのサインもすべて最初に表記。国立アイヌ民族博物館ではアイヌの言葉や歴史、暮らしなど、6つのテーマに沿って常設展示しています。
伝統楽器「ムックリ(口琴)」の製作や、アイヌ刺繍の体験なども可能です。

施設内にはアイヌ文化に由来する、食材と調理法を用いた料理やスイーツが味わえるスポットも点在。ミュージアムショップではアイヌ文様を施したお洒落な雑貨、ウポポイPRキャラクター「トゥレッポん」をあしらったグッズがお土産に人気です。

ウポポイ(民族共生象徴空間)
北海道白老郡白老町若草町2丁目3
0144-82-3914
https://ainu-upopoy.jp/

日々の喧騒をしばし忘れる、1日6室限定の宿

そんな「ウポポイ」からすぐ、白老の市街地に佇むのが「ピリカレラホテル」です。全6室のみのリゾートホテルは、全室がスイートルーム仕様の贅沢な造り。まるで旧知の友人の邸宅に招かれたような、あたたかなもてなしと抜群のホスピタリティが心地よく、静かで穏やかな時間が流れます。

プライベートな別荘のように寛げる「ピリカレラホテル」。
全客室に温泉を完備し、癒しのひとときを過ごせます。

客室のインテリアはもちろん、ラウンジや共有スペースに配された彫刻、作家の手仕事により刺繍を施した館内着など、いにしえより受け継がれてきたアイヌ文化と身近に触れ合うことで、旅の気分も高まります。

館内着は生地も刺繍もすべて一つずつ異なり、気に入ったものを選ぶスタイル。

食に凝縮された、知られざる胆振の魅力

お楽しみは"食材の王国"とも称される、北海道・胆振エリアの豊かな恵を堪能できるディナー。アイヌ伝統家屋・チセから着想を得た趣あるレストラン「レプン」でいただくのは、ライブ感あふれる鉄板焼きを軸にした旬を味わうコースです。
スタッフが各地へ実際に足を運び、"これこそ"と惚れ込んだ素材をセレクト。とりわけ洞爺・佐々木ファームによる無農薬野菜の力強くみずみずしい味わいには、目を見張ります。
フランス料理を基本にしながらもその枠に留まらず、ときに和の要素も取り入れながら素材が活きる逸品を追求。メニューはあくまでも食材次第で、ごく少量のコンソメジュレで寄せた「野菜のプレッセ」はその象徴ともいえるひと皿。素材ごとに最適な火入れと手仕事を施すことで野菜が持つ食感や滋味が存分に際立ち、訪れるたびに楽しい発見があります。

素材の五味をダイレクトに感じる「野菜のプレッセ」。キノコが美味しい秋や、ジャガイモをはじめとした根菜類が主役の冬も楽しみ。
魚料理の一例。料理と合わせて楽しむワインペアリングセットもおすすめ。
絶妙な火入れで仕上げた白老牛サーロインステーキは、噛むほどにあふれる肉汁が口いっぱいに広がります。

メインディッシュは鉄板焼きスタイルで供される白老牛のステーキ。目の前で焼き上げる音や立ち昇る香り、何気ないシェフとのおしゃべりの時間もご馳走です。
ガーリックライスもファンが多いひと品で、そのままいただくのはもちろん、白老牛でとった澄んだスープと鰹の合わせ出汁でいただく、シメの出汁茶漬けは絶品。前浜で獲れる新鮮な海の幸なども織り交ぜた緩急のあるコースに、北海道の食材が持つ底力に新鮮な感動を覚えます。

シェフで宿の支配人の小山悠也さん。気さくな人柄で、プロならではの軽やかな手捌きにも目を奪われます。
お出汁でいただくガーリックライス。ステーキを一切れ残し、わさびオイルを添えていただくのが通の楽しみ方。

源泉掛け流しの"美肌の湯"を心ゆくまで堪能

またこの宿のもう一つの自慢は、北海道遺産にも登録されているモール温泉です。植物由来の有機物をたっぷりと含み、とろりと柔らかな手触りの湯は驚くほど濃い紅茶色。肌の新陳代謝を高め、湯上りの肌がなめらかに整うことから美肌の湯としても知られます。加水なしの源泉掛け流しの温泉は、大浴場はもとより全客室にも引かれており、いつでも気兼ねなく楽しめるのもうれしいところ。

泉名「ピリカの湯」。1,345mの地下から湧出する、太古の植物が起源のモール温泉。
館内には直接体を癒してくれる飲泉も引かれていて、自由に飲むことができます。

シェフとお客様とのおしゃべりの中から新たな料理が生まれるような距離感、小さな宿だからこその行き届いたもてなしに、何度も訪れる熱心なリピーターも多いというのも頷けます。

大丸松坂屋カードでのお支払いで「QIRA(キラ)ポイント」が通常の2倍貯まります。

北海道有数の食材の宝庫・胆振の美食とともに、手つかずの自然を楽しむアクティビティや、アイヌ文化に触れ合える「ウポポイ」など、白老には魅力あるスポットがもりだくさん。悠久の歴史に想いを馳せる、ちょっぴり贅沢な旅へと出掛けてみませんか。

ピリカレラホテル
北海道白老郡白老町日の出町1丁目3-15
0144-85-4001
http://www.pirikarera.com/